みなさんこんにちは。ぱぱさくです。防音室の自作も最後のパーツとなりました。防音室には必須の換気扇用のサイレンサーの自作を解説いたします。
どの程度のレベルのサイレンサーが必要なのか??
具体的な設計内容、寸法は?
使用する材料は?
では、換気扇の設置およびサイレンサーの自作をご紹介させていただきます。
Table of Contents
換気用サイレンサーの必要性
防音室は気密性が担保されているため、防音室だけの構造では換気が全くされません。
このため、強制的な換気なしでは夏は暑く、暑さ対策にも換気は必須ですし、DIY作業用として粉塵が発生する作業では、粉塵が除去できません。このため、防音室では換気扇が必需になります。
ただ、通常の換気扇のように室内空気を排気してしまうと、室内の音がダイレクトに外に伝わってしまします。これは吸気口にも同じことが言えます。
換気口、吸気口からの音漏れを防ぐにはサイレンサーの設置が必要になります。
熱交換式の防音室用換気扇(三菱「ロスナイ」)も販売されていますが、非常に高価です(私にとっては(笑))し、ロスナイ等の熱交換式の換気扇は排熱効果が小さいため、夏場の暑さ対策には向いていません。ロスナイ参考価格:3万円
なお、サイレンサーさえ設置できれば通常の換気扇でも防音出来るため、自作でサイレンサーを調達するのが良いですね。
サイレンサーの自作手順
- 換気口の設置(吸気側、排気側)
- サイレンサーフレーム作製
- フレームのコーキング
- フレームへの遮音材貼り
- 防音壁への吸音材の設置
- フレームへの吸音材の設置
- 防音壁へのサイレンサー設置
サイレンサーの使用材料
- ツーバイフォー(フレーム、換気口)
- 12mm合板(フレーム)
- 遮音材(ダイケン遮音材 940SS)
- 吸音材(uxcell 吸音マット)
- 換気扇(山善 YKF-15)
上記材料の価格については下記コンテンツにて掲載しておりますので詳しく知りたい方はご確認くださいませ。
サイレンサーの設計
排気側
サイレンサー自体は防音壁の外側に設置するため、防音壁の大きさに収まる大きさに設計する必要があります。今回は縦570mm、横670mmにて設計しました。
防音壁の自作はこちらで確認できます↓
サイレンサー内部の排気管の幅は211mm、140mm、100mm、60mm、50mmと小さくしていきます。
音の性質から、大きな空間から小さな空間に伝達する際に音が減衰されますので、この性質を使い、排気管を徐々に小さくする構造としています。
また、排気管内には遮音材及び吸音材を設置することで、サイレンサーからの音漏れを防ぎ、更に音が排気管内を通過する際に吸音させる設計としました。
サイレンサーを設計する際の注意点は、音の減衰ばかりを優先して排気管の幅を狭しすぎると排気効率が低下するので、音の減衰と排気効率とのバランスが必要ですよね。
吸気側
吸気側のサイレンサーは防音扉に付随する防音壁の外側に設置しますので、この防音壁のサイズに合わせて設計しました。
かなり細いので、吸気配管の構造も排気側とは異なる構造にしました。防音壁の側面に乗っける感じです。幅は181mmなのでかなり細い構造です。長さは1.2mあります。
防音扉の自作は下記のコンテンツで詳しくご紹介しております
こちらの構造は排気管の幅が30mmになるように邪魔板を取り付け、排気側同様に音を減衰させるようにしました。吸音材も内部には設置していますよ。
防音壁側の壁面には排気側同様に吸気口を設置しています。
換気口の設置
排気側
換気扇を取り付ける換気口(換気扇設置フレーム)は防音壁製作時に同時に作製します。今回使用する換気扇は山善のYKF-15ですので、この本体に合う換気口を自作します。参考価格:6000円
換気口のサイズは内寸で180mmの正方形になりますので、これを今回はツーバイフォーで製作しました。
換気口のフレームを自作した後は防音壁に設置して換気口は完成です。防音壁と換気口の接合面はコーキングでしっかりと気密します。
ここの換気口には予め購入した山善の換気扇を取り付けます。品番のYKF-15の「15」はファンの大きさが15cmであることを表します。排気能力としてはそれ程強くはありませんが、防音室の広さを考えれば十分です。
YKF-15には写真のようなフィルターが付属していますが、フィルターを外すと換気性能は格段にアップします。真夏でも涼しいくらいです。スースーしますよ。
キッチン用の換気扇のように「ゴゴゴ~」とうい爆音で強い換気が良い場合はYKF-25がおすすめです。流石に、ここまで強い換気扇になると冬場が寒くなるため、YKF-15を選択しました。
吸気側
吸気側の換気口は換気扇を設置する必要がありませんので、直径100mmの円形としました。こちらはホールソーで施工し、更に遮音材を設置して音漏れを防ぐ構造としています。
何だか、おみくじの箱の口みたいですよね。ウチの娘がここに手を突っ込んでよく遊んでます(笑)。
サイレンサー本体の自作
- サイレンサー本体はフレームをワンバイフォーで作製
- フレームに12mm合板を貼り付け
- サイレンサー内部の排気管を作製するため、同じくツーバイフォーで邪魔板を設置
- フレーム内に遮音材を設置
- 遮音材の上に吸音材を設置
- サイレンサー本体の完成 こんな感じです↓
防音壁側への吸音材の設置
サイレンサー本体にに吸音材を設置しましたが、サイレンサー内でのより一層の吸音効果を高めるため、サイレンサーを設置する防音壁側にも吸音材を設置します。
貼り方はサイレンサーのフレーム部分を避けて張ります。
写真で見ると中途半端な貼り方ではありますが、フレームを避けて貼るとこのようになります。これは吸気側も排気側も同じです。
防音壁へのサイレンサーの設置
サイレンサー本体が完成しましたので、これを防音壁に設置します。
設置方法はビスで留めるだけですので簡単です。排気側のサイレンサーのフレームは端材で自作しましたのでツギハギです。
こちらは排気側の排気口ですが換気扇を回しますと結構な勢いで風が出てきますので、排気管内の幅としてはちょうど良かったかと思います。
市販のサイレンサー
サイレンサーを自作する手間を省きたい方は市販のサイレンサーを使用するのもありですね。サイレンサーは吸気用と排気の換気扇用の2つがありますが、いずれも市販品がありますのでチェックしてみてくださいね。
吸気用は100πのもので2500円程度。。
排気側のもので4500円程度です。
サイレンサーまとめ
今回はサイレンサーについて紹介させていただきました。
構造は簡単そうですが、実際にどんな寸法で設計したらよいか、具体策がわからず迷走してしまうパーツでもありますので、具体的な寸法も交えながら紹介させていただきました。
このサイレンサーでどれくらいの消音効果が出るのかは、下記の防音室検証でお伝えさせていただきますね。結論を先に紹介させていただきますと、今回のサイズでも十分です。エンジンなどのマフラー構造のように、あまり極端に排気管内の幅を狭する必要もないかと感じました。
排気効率を損なわない程度の設計が重要ですね。
防音室の自作の設計概要については下記コンテンツにてご紹介しておりますので、こちらも確認いただくことで防音室自作の全体がよく理解できますのでご参照くださいませ。
【製作費4万円】防音効果Dr:40達成!!DIYおとうさんの防音室自作3~設計概要まとめ~
サイレンサーの自作が難しい場合は??
サイレンサーを自作せず、市販品を使用したい方は冒頭で紹介しました、三菱のロスナイがおススメです。
市販の防音室にも使用されている製品ですので信頼性は高いかと思います。
吸気、排気の両側が一台にセットされているためこれ一つで吸排気が可能になり、「寒いときモード」、「排気専用モード」への切り替えも可能です。
次回は最終の仕上げ塗装について紹介させていただきます。
最後までご試読ありがとうございました。
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